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「再発だと思っていたからこそ、ほっとしました」──二つのリンパ腫を経験して見つけた、小さな幸せ

2023年末、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と診断され、抗がん剤治療を受けたHKさん。一度は寛解したものの、約5か月後に再び耳の下のしこりに気付きます。「再発したのかもしれない」。そう覚悟して受けた検査で告げられたのは、辺縁帯リンパ腫という別のリンパ腫でした。同じ主治医のもとで治療を続けられた安心感、二度の抗がん剤治療で感じたこと、そして病気を経験したことで変わった価値観について伺いました。


再発だと思っていたので、辺縁帯リンパ腫と聞いてほっとしました

聞き手
まずは辺縁帯リンパ腫と診断されるまでの経緯を教えてください。
HKさん
実は最初に診断されたのは辺縁帯リンパ腫ではなく、DLBCLでした。2022年頃に右耳の下に小さなしこりを見つけたんです。もともとSLEがあったので膠原病内科を受診していましたが、その時は様子を見ましょうということになりました。
聞き手
その時点ではリンパ腫は疑われていなかったのですね。
HKさん
そうですね。半年ごとの診察を続けていたんですが、1年半ほど経った頃にしこりが大きくなって、数も増えてきました。先生がCTを撮ってくださって、「リンパ腫の可能性があるので専門病院へ」と紹介していただきました。
聞き手
そこで詳しい検査を受けられたのですね。
HKさん
はい。PET検査と生検を受けて、2023年12月末にDLBCLと診断されました。翌年1月からPola-R-CHP療法を6コース受けて、6月には寛解と言われました。
聞き手
ようやく治療が終わったというお気持ちだったのではないですか?
HKさん
本当にそうでした。「これで終わった」と思っていました。でも、その約5か月後、今度は左耳の下にまた同じようなしこりができたんです。
聞き手
その時はどのように感じましたか?
HKさん
ちょうど歯医者さんに通っていたので、最初は歯が原因なのかなと思いました。でも歯科の先生から「歯ではないので、すぐ主治医の先生に相談してください」と言われたんです。
聞き手
主治医の先生はどのようなお話をされましたか?
HKさん
「DLBCLの再発の可能性が高い」と言われました。私自身もそう思っていましたし、再発なら別の病院で違う治療になるかもしれないとも聞いていました。だから検査結果が出るまでが一番不安でした。
聞き手
結果はいかがでしょうか?
HKさん
2025年1月に「辺縁帯リンパ腫です」と説明を受けました。先生からは「そんなに喜ぶ病気ではないよ」と言われたんですけど、私にとっては再発ではなかったこと、進行が比較的ゆっくりな病気だったこと、そして何より同じ病院で同じ先生に治療を続けてもらえることが分かって、本当にほっとしました。
聞き手
「ほっとした」という言葉が印象的です。
HKさん
最初にDLBCLと診断された時よりも、「再発かもしれない」と言われた時の方が実は動揺していました。だから辺縁帯リンパ腫と分かった時は、不思議なんですけど安心した気持ちの方が大きかったですね。同じ先生に診てもらえるという安心感は、本当に大きかったと思います。

「病気をなくす」ではなく、「長く付き合う」治療という考え方

聞き手
辺縁帯リンパ腫と診断された後、先生からはどのようなお話がありましたか?
HKさん
PET検査では左の耳下腺とその近くのリンパ節だけに病変がありました。先生からは「放射線治療という方法もあるけれど、耳下腺に照射すると唾液が出にくくなる可能性があります」と説明を受けました。そのうえで、BR療法による治療を提案してくださいました。
聞き手
治療の目的についても説明がありましたか?
HKさん
ありました。辺縁帯リンパ腫は「治す」というよりも、「長く病気を抑えて付き合っていく」ことを目標にする病気だと説明を受けました。
聞き手
その説明を聞いて、どのように受け止められましたか?
HKさん
不思議なくらい落ち着いて聞くことができました。しこりはありましたが、痛みや発熱、強いだるさといった症状はありませんでしたし、日常生活にも大きな支障はありませんでした。だから、「病気をコントロールできるのであれば、それでいい」と自然に思えたんです。
聞き手
抗がん剤治療への抵抗はありませんでしたか?
HKさん
もちろん「また始まるんだな」という気持ちはありました。でも、一度経験していた治療でしたし、信頼している先生から勧められた治療だったので、不安よりも「頑張ろう」という気持ちの方が大きかったですね。

どちらの抗がん剤も大変。でも支えてくれる人がいました

聞き手
BR療法はどのような治療でしたか?
HKさん
1週間入院して、その後3週間は自宅で過ごすというサイクルを4回繰り返しました。退院中も週に1回は外来で血液検査や尿検査を受けながら経過をみてもらいました。
聞き手
副作用はいかがでしたか?
HKさん
脱毛はありませんでした。でも、だるさや吐き気は思っていた以上に強かったですね。特に治療後2〜3日目は体が本当に重くて、「やっぱり抗がん剤なんだな」と感じました。
聞き手
前回のDLBCLの治療と比べるといかがでしたか?
HKさん
「どちらが大変だったか」と聞かれると、本当に難しいです。DLBCLの時は脱毛がありましたし、BR療法では脱毛はない代わりに、だるさや吐き気が強く感じられました。結局、どちらも大変だったというのが正直な気持ちです。
聞き手
それでも治療を続けられた理由は何だったのでしょうか?
HKさん
家族の支えもありましたし、病院の皆さんのおかげですね。先生はとてもお忙しい方ですが、看護師さんはいつも「今日はどうですか」と声をかけてくださって、不安なことも相談しやすかったんです。そういう安心感は本当に大きかったと思います。

「治療中」よりも、「治療後」の情報が知りたかった

聞き手
ご自身でも病気について調べられたそうですね?
HKさん
はい。インターネットではたくさん調べました。でも、この病気は患者さんの体験談が少なくて、どのサイトを見ても似たような内容ばかりでした。
聞き手
どのような情報が欲しかったですか?
HKさん
治療後の生活についてです。例えば、筋力はどのくらいで戻るのか、免疫が落ちることでどんな影響があるのか、といったことですね。
実際、私は治療後に歯を抜くことになりました。歯医者さんからは「抗がん剤そのものではなく、免疫が落ちたことで歯周病の影響を受けやすくなったのかもしれません」と説明を受けました。
聞き手
治療が終われば元通り、というわけではないのですね。
HKさん
そうなんです。見た目は元気でも、体は少しずつ回復している途中なんですよね。後になって先生から「筋力が戻るまで1年くらいかかる人もいます」と聞いて、「そういうことだったのか」と納得しました。治療中の副作用については説明がありますが、治療後の回復の過程についても、もっと知ることができたら安心する患者さんは多いと思います。

「今日うれしかったこと」を大切にするようになりました

聞き手
病気を経験して、ご自身の考え方に変化はありましたか?
HKさん
病気にならない方がもちろん良かったです。でも、この経験をしたことで、病気と向き合う方の気持ちを以前より考えられるようになりました。
聞き手
価値観も変わりましたか?
HKさん
DLBCLの治療中は、まさか1年後にもう一度抗がん剤治療を受けるなんて思ってもいませんでした。だから、「来年のことは分からない」ということを実感しました。でも、その代わりに「今日は何が楽しかったかな」「今日は何がうれしかったかな」と、一日を振り返るようになったんです。
聞き手
例えば、どんなことでしょうか?
HKさん
本当に些細なことです。コーヒーがおいしかったとか、家族と普通に過ごせたとか。以前だったら気にも留めなかったような出来事が、とても幸せに感じられるようになりました。
聞き手
最後に、これから治療を受ける方へ伝えたいことはありますか?
HKさん
情報が少ない病気だからこそ、不安になる方も多いと思います。でも、一人で抱え込まず、先生や看護師さんに相談しながら、自分のペースで治療を続けてほしいと思います。そして、「今日よかったこと」を一つ見つけるだけでも、気持ちは少し前向きになります。私自身も、その積み重ねが今の支えになっています。
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